子どもの病気はたくさんありますが、症状の訴えがなかったり、わかりにくかったりという特徴があります。また、発症や進行が急なこともあり、注意が必要です。
子どもの病気は大人とは様々な点で異なり、また特有の病気もあるため「いつもと様子が違う」、「いつものような元気がない」などの感覚が、病気の発見につながることもよくあります。お子さまの症状やお困りのことは、お気軽にご相談ください。
小児科
子どもの病気はたくさんありますが、症状の訴えがなかったり、わかりにくかったりという特徴があります。また、発症や進行が急なこともあり、注意が必要です。
子どもの病気は大人とは様々な点で異なり、また特有の病気もあるため「いつもと様子が違う」、「いつものような元気がない」などの感覚が、病気の発見につながることもよくあります。お子さまの症状やお困りのことは、お気軽にご相談ください。
このような症状の方はご相談ください
子どもの受診でもっとも多いのが発熱です。お子さまが熱を出すと心配になりますが、幼い子どもは感染する様々なウイルスが初めてであり、感染の都度、その防御反応としてよく熱を出します。また、体力もなく、疲れたり、興奮したりしただけでも熱が出ることがあります。発熱は病気のサインとして重要なうえ、体の防御反応ですから、むやみに薬で熱を下げる必要はありません。解熱剤などは医療機関の診察で病気の状態が把握されてから、医師の指示のもとで安全に使用してください。
幼稚園や保育園などに通いはじめたころは体調も崩しやすくなります。お子さまの様子を十分に観察して適切に対応しましょう。
インフルエンザウイルスによる急性熱性感染症で、通常、寒い季節に流行します。感染を受けてから1~3日間ほどの潜伏期間の後に、38℃以上の突然の高熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛などが現れ、咳、鼻汁、咽頭痛などの症状がこれらに続き、およそ1週間で軽快します。主な合併症としては肺炎、脳症が挙げられます。通常のかぜ症候群とは異なり急激に発症し、全身症状が強いことが特徴です。
季節性インフルエンザはいったん流行が始まると、短期間に多くの人へ感染が拡がります。二次感染、合併症の予防のためにも、できるだけ早く受診することが大切です。
なお、インフルエンザは学校感染症に指定されており、発症後5日を経過し、さらに解熱後2日を経過するまでは登校(園)停止とされています。
熱、咳、かすれ声、咽頭痛、頭痛などの症状をよく認め、乳幼児のお子さまより小学生以上の肺炎の病原体として頻度が高く、長引く発熱と咳(2〜3週間発熱や咳が持続することが珍しくない)を特徴とします。じんましんや紅斑などの発疹と腹痛、嘔吐、下痢などのお腹の症状も3〜4人に1人くらいの高い割合でおきると言われています。
潜伏期間も2〜3週間と長く、感染者が発生するとしばらく注意が必要です。
咽頭拭い液で行う抗原検査は迅速性に優れますが、検出力が50%と低く、検査が陰性でも感染を完全には否定出来ません。ある程度流行している状況では症状のみで診断を行う場合があります。
麻疹ウイルスによって引き起こされる全身感染症であり、空気・飛沫(ひまつ)・接触感染経路によって鼻やのどから感染します。通常は10〜12日間の潜伏期を経て発症し、発熱、咳、鼻水、目の充血、赤くかゆみのある発疹などの症状が現れます。一度感染すると免疫は一生持続するとされています。日本では麻疹ワクチンの普及により、麻疹の患者さんは減少していますが、1カ月以上蕁麻疹(じんましん)が出たり消えたりする慢性蕁麻疹の場合は、治療が長期になることもあります。
アデノウイルスによる急性ウイルス性感染症です。プールが原因で感染することがあるのでプール熱とも呼ばれていますがプールに関係しないところでも感染します。
38℃以上の高熱が5日間程度続き、喉の痛み(喉や扁桃腺が赤く腫れる)、結膜炎(充血、目の痛み、かゆみ、目やに)が認められます。
感染力が強いため、熱が治まっても2日程度は幼稚園や学校などは休むようにしましょう。
夏かぜのウイルスで起こる病気で、手のひら、足のうら、口の中に水疱(水ぶくれ)ができるのが特徴です。
生後6カ月くらいから4~5歳ころの乳幼児に多く、夏に流行します。感染した子の咳やくしゃみを吸い込んでしまう飛沫感染や便から排泄されたウイルスが手に付着し経口感染することもあります。
潜伏期間は3~5日くらいです。口の中の発疹は盛りあがったり、水をもったりするブツブツで、破れて潰瘍になると、刺激のある物を食べるとしみて痛がるようになります。
口の中の症状に少し遅れて、手のひら、足のうらなどに生米くらいの水疱性の発疹ができます。この発疹は吸収されて一週間以内に治りますが、まれに髄膜炎を合併することがありますので、高熱や頭痛、ひきつけ、嘔吐などの症状が伴う場合は、すぐに受診しましょう。
夏かぜのウイルスで起こる病気です。水疱ができて発熱がある点で、手足口病と似ていますが、手や足には発疹は出ず、口だけに症状が現れます。乳幼児の間で流行し38〜40℃の高熱が2~3日続きます。のどの奥に小さな水ぶくれができ、痛みがあり食べることが困難になります。重度の場合、水分も飲めず脱水症になることもあります。熱は2~3日で下がり、水疱も一週間くらいで治ります。治療は喉の痛みを抑える薬の服用などで対症療法を行います。
正式には流行性耳下腺炎といい、感染力が強い病気として知られています。ムンプスウイルスによる感染症で、主な症状は熱と耳下腺の腫れです。耳の下から頬やあごなどが腫れて痛みます。まず片方が腫れ、2~3日経ってもう片方が腫れてくる場合もありますが、片方だけが腫れることもあります。耳下腺の腫れと同時に発熱がみられることもあり、3日目くらいが腫れも熱もピークとなります。その後、1週間程度で治ります。かかりやすいのは幼児期後半なので予防接種は2~3歳までに済ませておくとよいでしょう。幼稚園や保育園など集団生活に入る前が適切な時期といえます。
胃腸炎のほとんどはウイルス感染(ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど)で、一部に細菌性(カンピロバクター、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌など)が見られます。ウイルスが付着した料理を食べたり、手指についたウイルスが口に触れたりすることで感染し、冬場、幼稚園や小学校などで集団発生することも少なくありません。
症状は下痢、腹痛、嘔吐、発熱が多く、治療は脱水を予防し、症状に合わせた内服薬を服用します。細菌性が疑われる場合には抗生物質を使用することもあります。脱水予防には、自宅で出来る経口補水療法(ORT oral rehydration therapy)が効果的です。
家族に感染することも多いので、家族全員で手洗いを十分するように心がけましょう。
水痘・帯状疱疹ウイルスが咳やくしゃみで飛び散り、それを吸い込んだり(飛沫感染)、水疱が破れて出てきた液に触ったりする(接触感染)ことで起こります。37~38℃程度の発熱とともに、赤い小さな発疹が現れます。発疹は、水が入ってふくらんだ水疱になり、かゆみが強くなります。水疱は2~3日でしぼみ、黒褐色のかさぶたになり、1週間程度で治ります。水ぼうそうは治ってもウイルスは長く体の神経節細胞内に留まっているため、何年か後に帯状疱疹(帯状ヘルペス)という病気を発症することもあります。
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